夢だった漁師になるため、タコつぼ漁の研修に励む19歳・・・「やっぱりタコがたくさん獲れると楽しいです。」
そして、「高齢化が進んでいるので逆にチャンスじゃないか」と一念発起し、素潜り漁を学ぶ男性・・・。
漁師の高齢化、減少が深刻な課題となっている中、一人前の漁師になろうと励む若者たちを紹介します。
防府市出身の新田将也さん19歳は漁師になろうと去年11月から3年間の予定で周南市の戸田漁港でタコつぼ漁の研修に取り組んでいます。
「小さい頃から父さんと釣りとか行ったり、海が結構好きだったのでそこから漁師になりたいと思いました。」
研修では、タコつぼ漁を始めて20年のベテラン村瀬稔さんから指導を受けています。
周南市の戸田地区では昔からタコつぼ漁が盛んで「周南たこ」の主要産地の一つですが、高齢化の波はここにも押し寄せています。
村瀬さんは「かつては60人ぐらい組合員がいてそのうち半分はタコつぼをやっていた。今は5,6人しかいない。寂しくなった。」と話します。
漁業就業者の減少は、山口県の水産業にとって大きな課題。
10年間の減少率は36.8%と全国6位、就業者のうち65歳以上の割合も52.6%と全国2位で、担い手を確保することは喫緊の課題となっています。
新田さんは「担い手支援日本」を掲げる県の支援制度の下、研修を進めています。
漁業就業支援フェアに参加し、研修中は指導者に謝礼金が支給され、新田さんは指導者からアルバイト代を受け取っています。
さらに独立した後3年間は給付金が支給されることになっています。
新田さんは「海や船のことを師匠から教えてもらって、すぐに自分でもできるようになりたいです。」と話していました。
一方、防府市にはまもなく研修を終え、独り立ちする男性がいます。
河本雅志さん32歳、取材したこの日は素潜りでアワビやサザエを探していました。
河本さんは、県漁協中浦支所でこれまで2年間研修を進めてきました。
漁業には欠かせない小型船舶の免許も研修期間中、経費の助成を受けて取得。
河本さんを後押ししたのは、就業に向けた支援制度でした。
「魚と海が好きで漁協に勤めていたが、支援の制度を知ってなりたいなと思った。獲るほうをやってみたい。漁師さんは楽しそうだな。」と。
経験を重ねるごとに素潜りにも徐々に慣れ、潜る深さも息が続く時間も次第に伸びてきました。
まもなく研修を終える河本さんは「高齢化が進んでいるので逆にチャンスじゃないかと。浜を活性化できるように若い力で頑張っていきたい。」と抱負を話していました。
7月29日(月) KRY熱血テレビ 放送