山口放送では、日本財団が推進する「海と日本プロジェクト」に合わせて、海の魅力を見つめなおすシリーズ企画を放送しています。
今回はきらら浜で行われた干潟の海岸清掃と潮干狩りを取材しました。
山口湾に面するきらら浜自然観察公園。
ここには、シベリア、そして中国、東南アジアから140種の野鳥たちが集います。
6月1日(土)、200人を超える人々がきらら浜に集合しました。
集まった理由は干潟の海岸清掃です。
世界に4000羽ほどしか確認されていない絶滅危惧種クロツラヘラサギ。
クロい顔で・・・クロツラ、ヘラのような白いサギ・・・で、クロツラヘラサギです。
希少ながらも、山口湾には毎年30羽前後が越冬のためにわたってきます。
しかし、近年、傷ついたクロツラヘラサギが数多く報告されるようになりました。
原因は…海洋ごみ。
ここは日本で唯一、傷ついたクロツラヘラサギの保護施設を有する場所でもあります。
今回の海岸清掃はそのクロツラヘラサギと干潟に住む全ての生き物を守るという自然保護の目的があるのです。
清掃場所は毎年クロツラヘラサギが渡ってくる山口湾の干潟近辺。
ここには、カニやカブトガニ、たくさんの生き物がいます。
中には漁で使う網も、海の生き物が絡まると、動けずに死に至ることもあります。
カモはエサと間違えて発布スチロールを食べてしまうという事例もあります。
クロツラヘラサギだけでなく海で暮らす生き物たちにとってゴミは命を脅かす危険なものなのです。
およそ1時間で集まったゴミは180キロ。
ペットボトルや細かなプラスチックごみであふれていた海岸があっという間にきれいになりました。
そして、こどもたちのお楽しみ。
この日は、潮干狩りも一緒に行われました。
潮干狩りで干潟を耕し、大きなアサリを間引くことは、生き物の生息環境改善にも繋がります。
アサリの他にもヤドカリやカブトガニ・・・。
子どもたちも、そして大人たちも、あらためて干潟にはたくさんの生き物がいることを学びました。
主催者は「素晴らしいイベントだった、みるみるゴミがなくなった。この山口湾がクロツラヘラサギの安定した生息地になって将来的に山口湾で繁殖してくれればいいと思っている。そのためには山口湾の環境を少しでもよくしないといけない。ゴミは似合わない。きれいな山口湾で繁殖してくれることを夢にみています。」と、話していました。
6月10日(月) さわやかモーニング 放送