ムギュっと押さえつけられているのは、トラフグの稚魚。
すると、口の中にハサミが入れられました。
パチンっ!
何の音だと思いますか?
答えは、歯を切る音でした。
歯切りは、養殖されているフグが傷つけあわないよう歯を切る作業です。
5月30日(木)笠戸島にある栽培漁業センターでは、仕入れたばかりのトラフグの稚魚3500匹の歯切りが行われました。
トラフグは、上下2枚ずつ合わせて4枚の歯をもちます。
歯切りをしなければ、養殖している網にかみついて逃亡する可能性があるほか、尾びれを噛みあって病気になることもあるといいます。
歯を切る、納得の理由ですね。
ここで気になるのが、トラフグは痛みを感じる?感じない?
そこで、職員の方に聞いてみました。
「一応(歯の)下の方には神経は通っているという話なんですけども。なるべく歯だけを切って歯茎は切らないような形で・・・。」とのことです。
痛みを感じているかもしれないと思うと少しためらってしまいそうですが、トラフグの命を守る大切な作業の1つですからね。
パチン!パチン!
この春からセンターで働きだした職員も歯切りに初挑戦しました。
新入職員の中川大地さんは 「歯を一発で2本切らないといけないんですよ。それを2本正確にぱっと切って、それを流れ作業でやっていくのが疲れますね。疲れるというより大変です。」と話していました。
トラフグは7月に周南市の粭島で地元の小学生と一緒に2000匹を放流し、残る1500匹はこれから約1年かけて育て、市内の飲食店を中心に出荷する予定ということです。