下関市沖で行われている伝統漁法のイカシバ漁。
去年は、これまでにない不漁でしたが、今年は順調にコウイカが獲れていて、新たな取り組みも始まりました。
今年も、長年この漁を行っている梅野孝昭さん・晋也さん親子の船に乗せてもらいました。
漁を行っている海域は、下関市の沖合人工島・長州出島周辺です。
一つの仕掛けに30個の網カゴがつけられていて、梅野さんはこの仕掛けを12ほど海に沈めています。
去年は、これまでにない不漁でしたが、今年は多い時は1回の漁で350匹から400匹と、順調にコウイカが獲れていると言います。
このイカシバ漁は、海草などに卵を産み付けるコウイカの習性を利用して、ツゲの木を取り付けた網カゴに誘い込む漁法です。
梅野さん親子もずっとツゲの木を使って漁を行ってきました。
しかし、ノリ養殖などの際に使うナイロン製の網を切って取り付けている地域もあり、梅野さん親子も今回初めて10個ほどの網カゴにナイロン製の網を取り付けてみました。
多いものでは、一つの網カゴに5匹も入っていて、卵を産み付けた跡も確認できました。
「正直、あんなに入っているとは思いませんでした。ちょっとびっくりしました。先代の方々が築いてきた漁法をちょっと変える形になると思うけど、しょうがない。」と梅野さん。
ツゲの木の購入費用は約10万円。
ナイロン製の網であれば、古いものを再利用することもできます。
梅野さんは、ナイロン製の網を取り付けた網カゴの数を、来年は今年よりも増やしたいと話しています。
新型コロナウィルスの影響で飲食店の不振が続き、コウイカの値段は例年よりも安いものの、漁は順調に進んでいます。
このイカシバ漁は4月いっぱい行われます。