記録的な大雨によって関門海峡や周防灘には、たくさんのごみや木が流れ出ました。
流木は船舶の安全な航海の妨げとなります。
回収作業にあたる清掃兼油回収船「がんりゅう」に密着しました。
関門航路は1日約1000隻の船が行き交う国際航路です。
海上に漂う流木は航行の支障となります。
通航する船舶に流木が衝突すると、プロペラが壊れてしまったり航行不能になるような危険があります。
流木の回収に力を発揮するのが船に備え付けられている”多関節クレーン”です。
乗組員が”剣突”と呼ばれる特殊な長い棒で流木を押さえ、多関節クレーンで船へと引きあげていきます。
がんりゅうは、潮目に集まったごみを飲み込むようにして進みながら船の中央部に設置したスキッパーと呼ばれるカゴで回収しています。
今は、流木の回収を優先的に行っています。
取材した日は長さが8mの流木を回収しました。
根がついたものもあり、前日には約20mもの流木もあったということです。
がんりゅうが担うエリアは、関門海峡を挟んで西の響灘から東の周防灘までの約3500㎢。
佐波川や福岡県の遠賀川、それに大分県の山国川と一級河川が多くあり、大雨の後には木が流れ出てくることが多いといいます。
7月10日から21日までに、回収した流木の数は65本にもなりました。
船の事故を招きかねない流木。
回収にあたるがんりゅうと乗組員は忙しく気の抜けない日を送っています。
九州地方整備局では「通行する船舶にも様々な企業への影響も大きいことから、関門航路を安全に航行できるような状態に保つということが一番大事と考えている。」と話しています。