クジラの肉や骨から採れる油=鯨油を化粧品や食品などに有効利用できる精製方法を確立した下関市の会社が、今年度の科学技術賞を受賞し、知事に受賞の報告をしました。
今年度の文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞したのは下関市の吉田総合テクノで、5月24日(月)吉田治重社長が村岡知事に受賞を報告しました。
クジラを加工する工程で排出される鯨油はそのまま放っておくと独特の臭いを出すため有効利用が進まず、その廃棄費用は加工会社の大きな負担となっていました。
吉田総合テクノでは、県産業技術センターとともに臭いの原因となる物質を水素を添加して反応させることで除去する仕組みや、におい成分を吸着材を使って精製する方法を開発ました。
化粧品や食品など用途に応じた鯨油の精製方法を確立し、保湿性の高い洗顔用の石鹸やドレッシングを商品化したほか、サプリメントの開発も進めています。
吉田治重社長は「やったなという感じですね。こういった形で少しずつでもみんなが喜んでいただける商品ができれば。まだまだこれから進めていきたいと思っている。」と話していました。
おととし再開された日本の商業捕鯨の中で、吉田総合テクノの技術は資源の有効活用につながると評価されていて、村岡知事は「今後の商品化に期待したい」と話していました。