銀褐色のそのひれが謎めいた生態を物語っています。
「ひれ」と一言で表現するには、物足りなさを感じてしまいます。
その「ひれ」の持ち主とは・・・。
大変珍しい深海魚・・・「ベンテンウオ」
この個体は、10年前に萩市沖で定置網にかかり、これまで萩博物館で冷凍保存されていました。
6月23日から始まる企画展で展示するため、巨大な「ひれ」を広げる様子が公開されました。
ベンテンウオは水深数百メートルにすむ深海魚で、世界的にも捕獲例が極めて少なく、
生態のすべてが謎に包まれている幻の魚とされています。
左右から押しつぶされたような扁平な体型が特徴的で、
背中と腹部に「溝」があり、その溝に「ひれ」が収納されています。
そのひれを広げていくと、まるで扇子を広げているかのように・・・。
まだ広がる、まだ広がる。
原型とは、まったく別の魚にでもなったかのよう。
そう、いわゆるへ~んし~ん=変身!ですよね。
たいてい発見された時点で「ひれ」が破損している例が多く、
完全な姿を見ることができるチャンスは、ほとんどないということです。
堀成夫研究員は、「この個体自体が奇跡に近い貴重な標本でした。この魚にも何かのメッセージがあって、この萩に現れたのではないだろうかと思いますので、企画展を機に解凍して広げて展示することになりました。」と話していました。
このベンテンウオが展示される企画展「深海魚大行進」は6月23日から始まります。