三方を海に開かれた山口県、海の祭りもいろいろあります。
今回ご紹介するのは、神輿が海を渡るあの伝統の祭りです。
周南市の粭島、本土とは小さな橋でつながっています。
毎年夏、地元の神社の祭りが行われます。
「貴船祭」です。
この日は島の外に出た若い人たちも帰ってきます。
氏子総代の中邑五男さんは、「一年に一回の楽しみ、なるべくなら続けたい。」と、島伝統の祭りを続けていきたいと話します。
粭島の漁師は明治時代にふぐの延縄漁を考案しました。
ふぐを傷つけることなくとれる延縄漁は全国に普及、浸透していきました。
海の恵みで栄えた歴史がある粭島。
1950年代、島の小学生が200人近くいました。
しかし、高齢化が進む中で人口は減り、島の小学校も5年前に廃校となりました。
厳しい現状の中、長い間続いているのが「貴船祭」です。
「若い人が戻ってくるから、出てる人が戻ってくるから賑やかになる。」
地元の人の思いです。
勇壮な祭りの目玉は、神輿が海を渡ることです。
若い人たちは神輿を担ぎ、年配者は神輿についた綱を引いて進む方向を決めていきます。
氏子総代の中邑さんは神輿についていき、指示を出します。
若者も年配者も一致団結して、神輿を神社から500m離れた御旅所へ運びます。
ことしは、およそ40分かけて海を渡りきりました。
「伝統だから残したい。」
「ずっと続いてほしい。」
「自分たちは島で育っているので思い入れがある。」
「これをやめたら粭島はしまいよ。」
海とともに生きる島に、活気が戻った一日でした。
7月30日 熱血テレビ 放送